スピーチ
その作成法と実例集

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スピーチのアドバイス
 効果のあがるスピーチ
諸星 龍 (話道研究所所長)
 まず会場にとけこむこと
田 英夫 (参議院議員)
 短い話にはユーモアが大事
石山四郎 (経済評論家)
 筋道を立てて、わかりやすく
塩月弥栄子 (華道・茶道家)

効果のあがるスピーチ

諸星 龍

  「人間は、考えることが少なければ少ないほど、よけいしゃべる。」これは、フランスの思想家モンテスキューのことばです。また、中国の賢人、荘子の教えに、「犬はよく吠えるを以て良しとなさず。人のよく言うを以て賢しとなさず。」とあります。


  洋の東西を問わず、古来から、長話はきらわれてきました。生活テンポの速い、スピーディな現代においては、ますますそうです。人びとには時間がない。お忙し族でいっぱいです。だから、会合に招かれた人たちに、短いスピーチが喜ばれるのは当然です。


  では、短ければいいんだろうと、結婚式のスピーチを頼まれて、子どものように、「おめでとう。」だけでは形がつきません。参会者にとってもあっけないことばですが、なにより、スピーチを聞きたがっている人たちを無視している点で、失礼な話です。つまり、この場合ですと、祝福をうける新郎新婦の気持ちを汲んでいないのです。


  演説会などの集まりとは違って、結婚式とか、告別式とかいった会場には、二種類の聞き手がいるということを忘れてはなりません。一方には、当事者の側として、話を聞きたい人がいます。他方には、人の話などいつまでも聞いていたくない一般参会者がいるのです。それでは、両方の聞き手の立場を考えてスピーチをするには、どれぐらいの長さが適当か・・・まず、三分内外でまとめられたら満点です。


  話し手の立場から考えますと、三分間あれば、言いたいことの急所を、単刀直入に盛り込めるし、その会合の当事者にとっても、満足のいく話ができます。それに、短時間だから、聞き手の注意を引きつけておくこともできます。三分間で話せる内容は、字数にして、ラジオのニュース放送を標準とすると、四百字づめ原稿用紙二枚ぐらいです。これは、一般の聴衆のほうからみると、ちょうどたいくつしないですむ長さです。それと、話し手の人物を観察するのにもってこいの時間でしょう。入れかわり立ちかわり、スピーチを聞かされる場合などは、とくにそうです。


  いったい、三分間でわれわれは何ができるでしょうか。せいぜい、たばこを一服すうか、トイレに行くぐらいのことしかできません。あっというまに、三分間は煙のごとく消え去っていきます。しかしです。もしこの三分間で、人の心を動かし、あなたというものを印象づけ、好ましい人間関係をつくりあげる方法があると聞いたら、きっと、あなたはのり出してくるでしょう。だれでもやれることで、多くの人があまりやっていないこと・・・それが、効果のあがるスピーチの研究なのです。

「三分間スピーチ」 より

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まず会場にとけこむこと

田 英夫

  スピーチをうまくやるコツは、まず会場にいる人達と仲良くなって溶けこんじゃうことです。そういう発言を一番先にすることを、私はかなり意識します。
例えば千人の集会でも、十人の集まりでも、開口一番「ご無沙汰いたしました」とか「しばらくでした」という言葉で始めたり、最初の出だしの言葉は、非常に重要だと思っています。


  まず溶け込んでから、会場に二人か三人、意識する人物を配置して、その人に話しかける感じにします。「ご無沙汰いたしました」と話しかけた時に、フッとこっちに向いてくれる人がいます。その中で、パッと二、三人、目の合った人にその後も話しかけていくのです。
千人いると思うと大声になり、ついつい気張ってきて、話が固くなる。どんなに人数が多くても、その中のほんの二、三人を選び出して、その人に話しかけていく。すると力まないですむし全員と対話しているような状態になるわけです。どんなに人数が多くても演説調であってはいけません。二、三人が老若男女と別れているとなおよろしい。


  こちら側は大勢に話しているつもりでも、向うは一人一人で聞いている。マイクがあるわけだし、なにも大きな声を出して絶叫する必要は毛頭ない。
おもしろい事に、人間は立ってしゃべるとつい大きい声になり、演説調になり易い。だから、もし許されるならば座って話した方が対話調になり易い。


  もう一つは、私は絶対に原稿を作らない。二時間しゃべるんでもメモも作らない。非常に重要で難しい問題のときだけ、全体の構成を作ることはあるが、それもほんのメモ程度。原稿にして一回読み始めたら顔が上がらなくなる。私でもそうです。読む言葉というのは人に感銘を与えません。同じ事を言っても、顔を上げ、生の言葉で言わなくちゃいけない。


  亡くなった大平さん(元首相)がアーウーの大平さんと言われたけれども、私もよくエーってのが入る。テレビでニュースキャスターをやっていたとき、非常に聞き苦しいという投書が来たこともある。でも、私はそう思わない。投書の主は、NHKのアナウンサーが立て板に水のように読むのが上手だと思っているが、そういう人は、ニュースの内容が自分の頭の中にあまり入ってない証拠だと思う。


  人間の物事を理解する頭のサイクルは、非常に個人差がある。新聞や本を読む場合には、自分のサイクルに合わせて読むことができるが、耳で聞いて理解するスピーチの場合、立て板に水だったら理解できないうちに次の言葉が入ってきてしまう。話す側としては、理解力の遅い人にもわかるように、自分の頭の中でそしゃくしながら話すためには、読んではいけません。したがって、自然にアーエーというのが入っちゃうわけです。スピーチを立て板に水のようによろうと思うこと自体が間違いなんです。


  むしろ、アーエーなんかはさみながら、しゃべっていく方が聞いている側に理解してもらえるし、感銘を与えることが多い。だから前の晩、原稿を書いて一生懸命練習するのは愚の骨頂。せいぜいお作りになるならメモ程度にしておいたほうがよろしい。告別式の追悼の言葉で、しばしば名文だが、書いたものをお読みになる方もいるが、私が一番感銘したのは、友人総代って方が、出て来られていきなり生の言葉で写真に向って話しかけたものです。みんなも、これには泣いてました。


  スピーチで最もむつかしいのは結婚式かも知れません。この間、私の息子の親友が結婚した。中村君というんですが、ニックネームは亀。中村君という苗字はよく知ってたのですが、わが家ではいつも亀で通用していた。それで、つい本当の名前を忘れてしまった。新郎に対し立ち上がっていきなり「亀おめでとう」とやってしまった。みんなドッと来ましたが、わからない人もいるわけです。そこで、
「申し訳ありません。新郎の中村茂君は、小学校の頃から知っていて、いつもうちでは亀というニックネームで通っていた。つい、日頃の癖が出てしまいまして・・・」
と続けた。みんなも笑ってましたが、これは前に話した溶け込むということなんでしょう。私は意識してやったわけじゃないが、その後のスピーチが非常に楽でした。
新郎が中学の頃、陸上競技をやっていたという話、私も私の息子もやっていたころからのおつきあいで云々と、思い出話をしただけですが、これは特にうけました。

「ここ一番役立つ有名人・名スピーチ集」 より

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短い話にはユーモアが大事

石山四郎

  五分間スピーチをやる場合、とても大切なことがあります。まず第一にユーモアです。スピーチ全体にいえることだが、特に短いスピーチにはこれが大切です。


  三木武夫さん(元総理)が、ある有名な建築家のお嬢さんの結婚式で、
「今日の新婦のお父さんは私と長い間の友人でして、建築家として有名で数々の名作を創られました。しかし、一番の名作はこのお嬢さんじゃないでしょうか」


  五分間スピーチに必要なのは正味二、三分の中身と、聞き手を退屈させない細かい配慮と前の人の話を受ける余裕と、そしてユーモアが最低限必要だろうと思う。(抜粋)

「ここ一番役立つ有名人・名スピーチ集」 より

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筋道を立てて、わかりやすく

塩月弥栄子

  「わかりやすく、正しく」話すためには、まず筋道を立てて話すことが必要です。
筋道とは話の順序です。順序を考えずに思いつくまま話を進めてゆくと、聞き手は行方不明の旅に連れ出されたようなもの。いつ列車が脱線するかとヒヤヒヤさせられます。話し手はまず前もってきちんと話の流れを自覚しておくこと。急に話をしなければならないときでも、当然、自分の心の中で瞬間瞬間、流れを決め、組み立てながら話を進めなければなりません。
初心者のスピーカーにはなかなかむずかしい注文ですが、このように筋道がきちんと立てられていると、話し手は余裕をもって話をつづけることができますし、聞き手にとっても、たいへんわかりやすい話になるものです。


  次に大切なのは、わかりやすいことばを話すということになります。話は普通、耳からはいります。ですから聞いてすぐわかることばを使うことが大切です。むずかしいことばはぜったい避けます。どのようにもとれるまぎらわしいことばや、あいまいことばはもっといけません。また決して嘘、いつわりがあってはなりません。そのためにも平素から物事について正確な知識を得ておくこと。そして正しい自分の考えを持っておくことです。そうすれば咄嗟の返答にも「失言」なんてしないはずです。またなるべく一つの「話の区切り」を短くすることを心がけるべきです。センテンスが長くなると、一区切りの中に異質の話が二つも三つもまぎれやすく、ますます聞き手にわかりにくくなります。

「上品な話し方」 より

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