スピーチ
その作成法と実例集

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結婚式のスピーチ
例 文 3

 森村桂さんの再婚を祝って
 結婚四回落第生
 女は大根やサンマとは違う!
 妻は夫のライバルとなることを恐れるな
結婚スピーチ基本型例文1例文2例文3例文4例文5例文6例文7

森村桂さんの再婚を祝って

加藤登紀子 (歌手)

みなさん!桂さんの幸福そうな顔を見てやって下さい。私も先ほどから、ほっぺもふっくらと、髪もつややかになって、何とまあ可愛らしい花嫁さんだろうと見とれているんです。まるで夢みる少女のようですが、全く奇跡のように元気になって、見事に再出発する彼女に心から”おめでとう”をいいます。

  桂さんと私のつき合いはずいぶん長いんです。私が歌手になったばかり、彼女が作家としてデビューしたばかりの頃、いっしょに対談をして何となく意気投合したけれど・・・、本格的につき合いが深まったのは、彼女が「もうひとつの学校」を開こうとした時からなんです。彼女の”相談役”みたいな気持でかかわり合うようになりました。

  当時彼女は大病をして、やっと一命をとりとめた後で、体がもつかどうか心配したけれど、非常に意欲的に、猛然とこの仕事にとりくんでいました。私もできるだけのアドバイスをしながら”すばらしいな”と眺めていたんですが・・・・。思えば、あの頃から彼女の中で何かが起りつつあった、大きな選択をせまられていたわけなんですね。「学校」がはじまって一年すぎた去年の一月、重大な決意をきいたんです。こんなお祝いの席で離婚の話は非常識ですが、そんな苦しい体験を経て、ひとまわりも、ふたまわりも大きく、幸福をつかまえた彼女をみていると、本当に”別れ”は”出逢い”のはじまりだと痛感するんです。離婚が罪だなんてこれっぽっちも思ったことがないので「あなたの選択はまちがってないよ。頑張ってよ!」といってやりました。本当にその時の彼女は、とても魅力的だったんです。

  「私は今まで夫の存在をとおしてしかものを見てこなかった。今、少しずつ自分で歩きはじめてみて、これではいけないと思うようになったの。世界がひろがってきたことを、もっと素直によろこんで、受け入れて、どんどんやっていきたい・・・・。夫にわかってほしかったんだけど、ストップをかけるのよ。私はもうあともどりはできないし、別れるしかないわね」
彼女は淡々と話してくれました。私は彼女の勇気に祝杯をあげたいくらいの気持ではげましたんですが、彼女にはすごく”うぶ”な面があって、その後”ごめんなさい””悪かった””淋しい”とひたすら後悔しちゃったんですね。ゲッソリやせちゃって、やつれ果てて、大げさではなく、まるで死の淵に立っているようでした。

  いつの間にか私は人生の”相談役”にまでなってしまって、どうにかして彼女に生き返ってほしいと思い、いろいろ考えました。
皆さんもご存知のように、彼女は他人の思惑や常識にとらわれず、もの事をまっすぐ見る人ですし、他人をあたたかく包みこめる人ですし、何といっても、あっけらかんとした明るさは天下一品なんですね。きっと立ち直ってくれるだろうと確信していましたが、やはり、彼女は作家ですから、とことん悲しんで苦しんで一年後、また童女のようになって現われました。
「あなたの近所に住むことになったわ」と突然の連絡で、その明るい声で結婚の知らせ?とピーンときました。

  「ひとりぽっちの私の魂は誰にもうけとめてもらえなくて、さまよいつづけるんだなと思ったら死ぬのがこわくなったの」なんて、相変わらずの童女ぶりに私は安心し、本当によかったと思いました。童女を生き返らせてくれた方・・・おとなりの三宅さんは、これまた桂さん以上にあたたかい人なんです。でなければ、童女がほれるわけはないと思うんですね。

  「彼は心底やさしい人なの。自分の思うとおり生き生きとやってくれれば、それでいい・・・・っていってくれた」彼女は、目を輝かせて嬉しそうにのろけてます。
私は、今日限りで、”相談役”からおります。

「ここ一番役立つ有名人・名スピーチ集」 より

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結婚四回落第生

宇野千代 (作家)

私はどうも、結婚式と言うのが苦手です。こんな席に立って、お目出とう、と言ったりするのが、一番、苦手なのです。どうも私は、こんな結婚式などに出席するのが、一番不似合いな人間ではないか、と思うからです。

  みなさんもご存じのように、私は、結婚という学校の落第生だからです。
四回も落第しました。こんな念入りな落第生が、お目出とう、などと言うのは、何だか可笑しいと思うからです。いえ、落第したから、どうかあなた方は落第しないようになさい、と言えば言えるのですが、この、落第しないようにするといういうことが、ちょっと口で言うほど、生易しいことではないのです。私は四回も落第したのですから、あ、また、ここで落第するな・・・・、ということが、勘で分かるのです。

  ここだ、この曲がり角で引返さなければ、ということが分かっているのに、やっぱり引返さないで、そのまま突き進んでしまうのです。私の結婚生活は、いつもここでおしまいになりました。この時期が来るまでは、私は相手に対して持っている、自分の恋愛感情のままに行動すればよかったのですけれど、ここまで来ると、単に、恋愛感情だけではない、男と女の間にあるに違いない、何と言うのでしょうね、真の意味では友情、とでもいうものがなければ、その生活を続けて行くことが出来ない。それが私にはなかった、とでもいうのでしょうか。

  しかし、結婚式の当日にはもちろん、だれでも、私たち二人の間には、そういう友情がある、と確信するものです。どうか、落第生の私のこの感想が、お若いお二人のある時期に、ご参考になりましたら、仕合わせです。

「ここ一番役立つ有名人・名スピーチ集」 より

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女は大根やサンマとは違う!

佐藤愛子 (作家)

女は独身でいるよりも、たとえ失敗しても結婚した方がいいのではないでしょうか。忍耐だけで成立っている結婚生活をしているよりは、別れた方がよいとも思いますが、別れて一人で無理な頑張りようをしているよりは再婚した方がよいと思います。ものごとに<こりた>などという考えはよくない考えですね。自分はこうだからダメだときめつけてしまう考え方も、よくない考えですね。私は近頃、そう思うようになりました。

  それはあるいは私自身が再婚したことによって成長した一面といえるかも知れませんが・・・・。再婚したからといって、今度失敗したら、もうおしまいだ、などとビクビクする必要は少しもないでしょう。再婚に失敗すれば三度目をやればよい。三度目に失敗すれば四度目をやればよい。三度目以上の結婚者は胸に勲章をぶら下げることにしてはどうでしょうか。

  女にとって輝かしい新しい時代が来たといわれ、何かというと女は強くなったと男性からいわれ、おだてられたり、からかわれたり、イヤミをいわれたり、欺かれたりしているようであるが、靴下なんぞにくらべて強くなったと得意になっていてはならないと思います。われわれ女性はまだ真の意味で男性から独立してはいないのではないでしょうか。
女は現実生活の中でやたらに強がっているだけで、まだまだその精神は男に依存していると思います。女の離婚や再婚に対して一般女性の考え方が批判的であるのは、男性によりかかった価値基準で結婚ということ、女というものをみているからではないでしょうか。

  男たちは一度結婚した女を古モノという観念で見ますし、男の目で物ごとを見ることに馴らされた女たちは、自分で自分を古モノだと思って自信をなくしているんですね。女の離婚者が古モノなら、男のそれも古モノである筈ですが、女の古モノだけが値が下がり、男の古モノは下がらないのはどういうわけでしょうか。まるで女というものには若さや新しさ、肉体的な純潔だけにしか値打ちがないようですが、女は大根やサンマとは違うんです。

  私は古モノでありながら、新(さら)モノの男と結婚し、うまいことをした、とよくいわれます。が、いったい何がうまいことなのか、さっぱりわかりません。うまいことをしたのは私より夫の方であったかも知れないとさえ思っているほどです。といいますのは、一度結婚した女というものは、未経験者より男性に対する認識を深めているということがいえるからなんです。

  亭主とは夜遅く帰ってくるもの、しかしそうだからといって女房を忘れているわけではないこと、会社と家庭の中間で、自分ひとりの時間を持ちたがっているもの、一見強けれども心弱く、悪がっていてもおおむね好人物であるなど・・・。こうした認識を深めている古モノ女房は、新(さら)女房よりははるかに寛大でものわかりがいい筈です。ケンカをするにせよ、仲直りをするにせよ、話が早いんじゃないでしょうか。

  まあ再婚者も、少なくともそれくらいの自信を持って進みたいものだと思います。要するに女は常に女自身で生きることです。いろんな既成の観念にも煩わされず、女自身の考えで行為することです。女はもっとつ強くならなければならないと思います。しかし、それは男に対してではなく、女自身に対してなのですが・・・・。

「ここ一番役立つ有名人・名スピーチ集」 より

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話し方手帳

妻は夫のライバルとなることを恐れるな

紀平悌子 (婦人運動家)

先ずもって、お二人に”おめでとう”を心から申し上げます。さて私は、新郎の妹ですので、今日はさりげなく新郎をほめながら、新婦には人生の伴侶として内助の功をひたすらお願いするのが定石でしょうが、新婦とその性を同じくする女の立場から、本音を言わせて頂きたいと思います。

  先程からの来賓の御祝辞を承る中で「著述をなりわいとする新郎の連れあいとなるお人が抽象絵画を能くする新進気鋭の芸術家であることは、同じ感性の世界で自我を主張してゆくライバルとなりかねない・・・それが生活共同体としての夫婦にとっていい事か悪い事か」とのご心配が印象的でした。結論が早くて恐縮ですが、時に憎みあうことがあっても妻は夫のライバルとなることを恐れてはならない・・・これこそ現代の良妻であり賢母たりうる資格だと私は思うのです。

  私自身も、仕事と家庭生活にゆき悩む三十年余の、それなりの歴史を歩いてきました。家事・出産・育児の軛(くびき)をひきながら女が仕事をすることは生易しいものではありません。戦前の家制度のもと、「女三界に家なし」と言われた頃とは若干違いますが、法律制度の上で男女同権が認められて三十五年を経過した今も、女の立場はたいして変わっていません。主婦は台所で一日中働いても、また夜もすがらの育児も、その生産性を認められないで、いわゆる生産の場は全て男に独占されています。この姿は、江戸時代の武家の女の地位と大して変わらないと思いますよ。徳川幕府に変わって株式会社ニッポン国に仕える夫の経済力に頼らざるを得ないのですから。

  この間、”クレイマー、クレイマー”という映画を見ましたが、恵まれた家庭に居ながら「何か足りない」と考えたクレイマー夫人が家出をするアメリカ社会の現代版ノラの話です。これが日本だったら、主婦が家庭から出てゆけば忽ち食いつめてしまうでしょうね。
とにかくこんなぐあいで、女は家事、育児に専念して”良妻賢母”となり、男は家事、育児には無能の”仕事の鬼”となる状況が蔓延するわけです。

  さて、考えて下さい。もし夫が仕事に仆(たお)れれば、社会保障の弱い日本では残された家族は忽ち路頭に迷うかもしれません。これを思うだけでも、結婚を終着点とし、家事・育児を天職と考える女の結婚観は極めて危険だと思うのです。子供が生まれると確かに可愛いし、離れ難く、子育ては女に張りを与え、これこそ生き甲斐だと感じます。その母性は貴重ですが、子供二人を育てても愛児にぴったり寄り添って過ごせる時間はせいぜい十四、五年で、彼らはそれぞれ自立してゆくのです。平均寿命七十八歳といわれる女の人生が、家庭に生きることだけを目標にして十分に満たされるものでしょうか?

  特に才能や意欲のある女ほど、目標を喪った人生に悩むでしょう。こんな妻の不幸せは、夫の不幸せ、今日の新婦もまた、結婚を境として、人間として生きるか、妻として生きるか、選択を社会から、世間から迫られているように私は感じるのです。何故人間はその両方で生きてはいけないのでしょうか。

  今年は、国際婦人年メキシコ大会から六年目にはいった年です。多くの男の人達は、少しでも男に追いつき、追い越せと女どもが叫び、女権を主張するのは甚だ迷惑だなどと考えておられるようですが、私の申し上げたいことは、男もまた、女以上に管理社会に縛られ、タテ社会の木ねじとなり、更に妻子扶養の軛にあえいでいる、それではおたがいにつらいから、もう少し女性の能力に扶(たす)けて貰ったらいかがでしょうか、という事なのです。

  新婦のAさん!一般の職場と違って、利害の対立だけでなく感情的・非合理的問題を多く含むのが家庭ですから、難しいこととは思いますが、休まず仕事をお続け下さい。そうすることが、お二人の人生をより豊かなものとするにに違いないと思います。

「ここ一番役立つ有名人・名スピーチ集」 より

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